ペーパーレス化を行う場合、「さあ!今から始めよう!」と思ってすぐに実行に移せるものではありません。
すでにある紙の資料をデータ化してパソコンへ保存するわけですから、それに伴い用意すべきツールが6つあるのです。
必要なツールを用意することがペーパーレス化の第一歩ですから、データ化した資料をきちんと保管し、快適に閲覧できようにするためにも何が必要か知っておきましょう。
必要なツール1.情報共有ツール
情報共有ツールとは、データだけでなく業務の進捗や顧客管理など、さまざまな情報を伝達・共有できるツールを指します。
ペーパーレス化を行うと資料がデータ化されますから、それに付随するやりとりもメールやチャットツールに移行していくはずですから、情報共有ツールがあると便利です。
情報共有ツールを使い、社員がいつでも自由に情報を発信し、データ化された資料をすぐにやりとりできるようになれば、紙の資料を使った会議よりもスムーズに業務が進むでしょう。
情報共有ツールを選ぶときは、
- 社員全員が使いやすいか
- 必要な機能がそなわっているか
に注目してください。
使い方が難しいとパソコンが苦手な社員には取り扱えませんし、必要なものがないといくつかの情報共有ツールを利用しなければならず、余計な手間がかかってしまいます。
必要なツール2. web会議ツール
ペーパーレス化は、コロナ禍で増加したテレワークや、出張がままならなくなった事で、大きな注目を浴びることになりました。
必要な書類が会社にしか無い為、やむを得ず出社する事になった社員がクローズアップされ、ペーパーレス化が進んでいない日本の現状を表す象徴として揶揄されました。
ペーパーレス化と共に、コロナ禍で注目を浴びたのがweb会議ツールです。
従来からあったテレビ会議との違いは、気軽にどこからでも参加が可能なことです。
テレビ会議では企業内の会議室等に専用機器を設置して、モニターやカメラ、マイク等を設置して場所同士を結んで行う事が一般的ですが、web会議は専用のソフトやアプリ・ブラウザを利用して、パソコンやスマートフォンを使い、インターネット回線に接続出来るならどこからでも参加出来ます。
Web会議では、必要なデータファイルを画面に表示して共有する事も出来ますし、データファイルを送受信することも可能です。
ペーパーレス化したデータを合理的に利用することが出来て、解りやすく活かすことが出来るため、その効果が実感出来、その後のペーパーレス化の継続推進にも役立ちます。
主なweb会議ツールとしては、「Zoom」・「CISCO Webex Meetings」・「Google Workspace(G Suite)」・「Microsoft Teams」・「Cocripo」等が有ります。
必要なツール3. 電子契約ツール
ペーパーレス化を推進するために、電子契約ツールも欲しいところです。
2021年9月に施行された、デジタル改革関連法「押印・書面の交付等を求める手続の見直し」で、売買契約書の電子締結が可能になりました。
「脱はんこ」の流れに、ペーパーレス化と電子契約ツールは不可欠です。
社内だけで仕事か完結する企業は少なく、外部の他社とやり取りが多くの企業では発生します。
社内だけがペーパーレス化しても、外部とのやり取りが書面のみでは、結局ペーパーレス化は完了しません。
自社だけでは完結出来ない難しさがありますが、だからこそ早めの対応に臨み、取引先各社に対して呼びかける必要が有ります。
膨大な数量になる契約書が、ペーパーレス化することで得られるメリットは大きく、ペーパーレス化の恩恵を関係者の多くが享受出来ます。
具体的なメリットとして、郵送する手間が削減出来る他、本来の紙の契約書では必要な、製本・捺印・取引先に配送・取引先で押印・返送というプロセスが無くなり、大きなスピードアップに繋がります。
紙よりも簡単に受け渡しが社内でも可能になり、契約承認に掛かっていた時間も削減出来ます。
業務効率のアップだけではなく、電子契約で実際に経費を減らすことが出来ます。
契約書ごと、契約金額に応じて掛かっていた印紙税が不要になり、配送費・封筒用紙代・インク代も不要になり、目に見えるコスト削減が実現出来ます。
契約書を保管するためには、安全に考慮したスペースを用意する必要が有りますが、電子契約ツールを利用してペーパーレス化する事で、その経費も削減出来ます。
必要なツール4. 勤怠管理ツール
働き方改革が提唱されて、在宅勤務・テレワークが増えてきた今こそ、社内のペーパーレス化を始める第一歩として導入しやすいのが「勤怠管理ツール」です。
従来は紙のツールであるタイムカードを利用して、タイムレコーダーで打刻していました。それを集計した上で、給与計算に反映させていました。
勤怠管理ツールを導入することで、パソコンやスマートフォンを利用してweb打刻が可能になり、テレワークする社員の勤怠管理もリアルタイムに確認が可能になります。打刻されたデータは自動的に集計され、給与計算システム等と連携が可能です。
web打刻は勤怠管理ツールの「キモ」と言えますが、社内の実情に応じてICカードの利用・静脈認証でも対応するサービスが有り、端末の指定やGPS機能と合わせて、不正な代理打刻や改竄を防ぐ事が出来る様になっています。
働き方の管理、特に勤務時間については法の監視も強まっている中で、リアルタイムに俯瞰出来る労務管理は、法令を遵守する手間を効率的にクリア出来るツールです。
有給や残業の申請や伴う承認、有休消化状況や長時間勤務アラート、シフト管理に至るまでペーパーレスで行う事が出来ます。
必要なツール5.ストレージサービス
ペーパーレス化によってデータ化した資料は、ストレージサービスを使ってオンライン上に保管し、社員が必要なときに個々のパソコンから閲覧できないといけません。
データ化する場合も、社内の一つのパソコンからしかデータを取り込みできなければ、手間がかかるのでペーパーレス化が進まないでしょう。
ストレージサービスにデータ化した資料を保存しておけば、必要なときに必要な人がすぐに資料を閲覧できますし、共有した資料はすぐにオンライン上へ反映されるので資料を直接渡しに行くより手軽です。
ストレージサービスを選ぶときは、
- 容量は十分か
- 使い方が難しくないか
- セキュリティは万全か
この3つの点に注目してください。
使い方が煩雑だと面倒に感じてペーパーレス化をやめてしまったり、紙の資料でやりとりしたほうが短時間で済んでしまいます。セキュリティに関しては重要な情報を漏洩させないために、よく調べて安全だと言えるストレージサービスを選びましょう。
必要なツール6.スキャナー
これがないとペーパーレス化が始まらないと言えるツールは「スキャナー」です。もともとパソコンで作った資料はすでにデータ化されていますが、紙の資料はスキャナーがないとデータ化できません。
スキャン機能は家庭用のプリンターにもついていますが、家庭用ではスキャンにかかる時間が長く、1枚1枚ゆっくりとパソコンへ転送するので資料が多いオフィスには不向きと言えます。
オフィスのペーパーレス化のためにスキャナーを購入するなら、
- スキャンスピードが速いもの
- 簡単にスキャンできるもの
- 文字やイラスト、図表が鮮明にスキャンされるもの
がおすすめです。
すでにスキャン機能つきの複合機をオフィスに導入しているなら、新しくスキャナーを購入する必要はありません。
まとめ
資料をデータ化すると社員同士のコミュニケーションが今まで以上に取りやすくなるので業務がよりスムーズに進むでしょう。
ツールを選ぶときにはいくつか注意点がありますから、ペーパーレス化に影響を与えないためにも事前によく確認しておいてください。
もしデータ化する紙ベースの資料が多すぎるというなら、データ化を代行してくれる業者もありますので依頼を検討してみてはいかがでしょうか。