インクジェットプリンターに利用されている消耗品のインクカートリッジは、比較的小さく、中に入っているのは液体のインクのため、ゴミとして処分出来るなど、処分は簡単です。
しかし、レーザープリンターに使われているトナーは、サイズも大きく粉末状のトナーが使われている事もあり、簡単にゴミとして処理することは出来ません。
トナーは決められた方法で廃棄しないと危険なだけでなく、環境保護やSDGsの観点からも問題があります。
使い終わって不要になった、トナーの廃棄方法や注意点を解説していきます。
トナーの廃棄方法
トナーカートリッジを廃棄する際は、他のごみと同じように袋にいれてゴミ捨て場に置けばいいわけではありません。
トナーカートリッジは一般ごみには含まれないため、特殊な方法で処理する必要があります。
その理由は、トナーは使用済みになっている状態でも、中には少量の粉末状のトナーが残っています。
トナーが空気中に舞ってしまうと、粉塵爆発を起こす可能性があります。
また爆発せずとも、トナーの粉を人が吸い込んでしまうと、気管支に影響を及ぼすことがあります。
トナーは燃えないごみとして捨てるのではなく、産業廃棄物の処理やトナー専用の回収サービスを利用することが必須です。
循環型社会への取り組みの一環として、メーカー各社はトナーカートリッジの回収・リサイクルに対して、積極的に取り組んでいます。
環境保全に対する取り組みは、現在のメーカーイメージを左右する、大きなファクターになっています。
回収する場合の窓口
トナーを捨てる際は、回収窓口に頼むことがもっとも簡単です。
それぞれの方法を紹介します。
産業廃棄物として捨てる
法人や事業者の場合は、普段出るゴミも一般ゴミとしては出すことが出来ず、事業系ゴミの専門業者に出しています。
この業者にトナーカートリッジの処分を頼んでも、多くの場合は引き受けてくれません。
産業廃棄物業者と普段から付き合いの有る場合は、そちらへの処分を願い出て下さい。多くの場合有料で引き受けてもらえます。
普段から付き合いのある業者が無い場合は、探して処分するのも手ですが、別の方法を考えた方が得策です。
産廃業者の中には、トナーカートリッジの処理を断るケースもありますので、事前の確認が必要です。
この方法は、個人利用しているトナーカートリッジの処分方法としても、オススメしません。
家電量販店のトナー回収ポスト
家電量販店に設置されている回収ポストに持ち込むことで、トナーカートリッジは処分出来ます。
無料で処理してもらえるため、コストを抑えたい人にはおすすめの方法です。ただ毎回店舗に持っていく必要があるため、移動に時間をかけたくない場合は不向きでしょう。
不用品回収サービス
不用品回収の業者に依頼して、トナーを廃棄してもらう方法方あります。
コストはかかりますが、使用済みのトナーが溜まってしまっている場合は、すべて回収してもらい、在庫を一掃できます。
ベルマークで回収
学校等で使っているレーザープリンターで出たトナーカートリッジで、ベルマーク運動を行っているなら、使用済みトナーの処分が出来ます。
ベルマークの機関で回収を行っているのではなく、メーカーと組んで行っているため、発送先はそれぞれのメーカーになります。
トナーカートリッジの場合、50点のベルマークが貰えます。
回収出来るトナーカートリッジや連絡先などの詳細は、ベルマーク公式ページを参照してください。
メーカーごとのトナーカートリッジ回収への取り組み
レーザープリンターを販売しているメーカーごとで、積極的にトナーカートリッジの回収への取り組みがなされています。
不要なトナーカートリッジの処分方法としては、最もオススメ出来る手段です。
条件としては、メーカー-が回収するトナーカートリッジは、純正品に限られるということです。
〇キャノン
使用済みトナーカートリッジを1点から無料で訪問回収するサービスです。
上記のサイトからオンラインで申し込むか、FAXで申し込むこむ事が可能で、その際に利用するフォーマットのPDFデータもサイト内にあります。
〇エプソン
web上から回収サービスを頼める他、先述のベルマーク活動の申込みも、このサイト上で可能です。
FAXでの依頼も可能です。
〇ブラザー
訪問回収がweb上から申込みが出来るだけでなく、電話やFAXでも依頼をかけることが可能で、回収時の注意なども解りやすく解説されています。
輸送による環境への負荷低減、資源エネルギーの消費低減の為、複数本での回収を呼びかけています。
〇コニカミノルタ
回収の申込みは電話(フリーダイヤル)になります。
日本通運が代行して回収を行っています。
〇京セラ
web上から回収の申込みが出来て、FAXでも可能です。
専用の申込用紙もPDFで配布しています。
〇リコー
販売会社・販売代理店の回収が基本になっていて、1本でも回収に来てくれます。
FAXで回収依頼を行うことも可能です。
〇シャープ
回収出来るトナーカートリッジが、細かく表記されています。
指定カートリッジ以外は、「お買い上げの販売店にお問い合わせ下さい」というスタンスです。
回収申込みは、フリーダイヤルので申し込みます。
日本通運が代行していて、無料で回収引き取りにきてくれます。
〇東芝
シンプルにFAX依頼書の案内がされています。
〇富士フィルム
基本的にはweb上の申込みのみです。
〇再生・互換トナーカートリッジの場合は?
レーザープリンターのメーカーが回収しているトナーカートリッジは、純正のみです。
サードパーティーが販売している、互換トナー・リサイクルトナーの場合は、販売店で回収しているケースも多くなっています。
たとえば、インク革命COMの場合では、インク革命.COMで購入したトナーカートリッジが3本以上あれば、無料で回収を行っています。
注文の際に内容最終確認ページの備考欄に、「使用済みカートリッジの回収希望」と記載すれば、規定の着払い伝票が商品と同梱されてきます。
使用済みトナーを廃棄する際の注意点
使用済みトナーを廃棄する際に注意したい点は主に二つです。一つ目は、使用済みトナーを入れる箱はメーカーや業者指定のものを利用することです。自分たちで用意したものにしまう場合、粉塵が飛散するリスクがあります。廃棄する際は、必ず業者にトナーを入れる箱がないか確認しましょう。
また、廃棄する際はメーカーの説明書に一通り目を通すことも欠かせません。どの廃棄方法であっても、メーカーの説明書通りになっていて問題はないか、事前に確認することで、自分たちの安全を確保できます。
まとめ
トナーの廃棄方法や、回収してもらう際の窓口を紹介しました。トナーの廃棄は一般ごみと同じようにはできないため、必ず専門の窓口に頼んでくださいね。処理方法は産業廃棄物としての処理や、メーカーの回収などさまざまなものがあります。コストや手間を考慮して、自分たちに合ったものを選択しましょう。