普段何気なく使っているコピー機ですが、中に入っているトナーについて詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか?
本記事では、
- トナーの成分と製造方法
- トナーの人体への影響
- トナーの清掃方法
について解説しています。
トナーについてしっかりと理解して、正しい取り扱い方法を知ってもらえると幸いです。
トナーの成分と製造方法について
みなさんはトナーがそもそも何なのかご存知でしょうか?トナーは、5~8ミクロン程度の小さな粉(粒子)で、粉状の透明な樹脂と顔料とくっつけることでトナーになります。
トナーを構成する成分は3つあるので、順に見ていきましょう。
高分子樹脂(プラスチック)
トナーの粒子の素となる材料がこの高分子樹脂。印刷のときは、トナーに熱を加えて高分子樹脂が溶け、この溶けた高分子樹脂が紙に定着することで印刷されます。樹脂は元々は粉ではありませんが、製造の過程で粉々になりトナーが作られます。
ワックス
ワックスとは油のことです。このワックスの役割は、トナーがローラーに付着するのを防止すること。印刷時は、コピー機の中でトナーに熱が加えられて溶け、紙にくっつきます。しかし、印刷時にトナーの一部はカートリッジに残ってしまうため、ワックスを入れてカートリッジにトナーが残らないようにしています。
顔料
高分子樹脂を紙に定着させるだけでは、紙には何も印刷されません。顔料を入れることでトナーに色が付き印刷できるようになります。プリンターには、次の4種類の色のトナーが搭載されます。
- ブラック
- シアン
- マゼンタ
- イエロー
これら4種の色の組み合わせで様々な色の変化を表現しています。
次に製造方法について説明します。2種類の製造方法があるので順に見ていきましょう。
1つは粉砕法と呼ばれる方法で、粉々になった樹脂に顔料を加え、混ぜます。それらを冷やして固まったのち、粉々に粉砕して小さな粒子とし、トナーができあがります。肉眼では見えませんが、トナーの粉は角張った粒子になるのが特徴です。
もう一つは重合法です。先ほど紹介した3つの成分を容器などに入れ、接着剤と重合剤を入れることで、先ほど説明した3成分がそれぞれくっつきトナーになります。重合法で作ったトナーは、丸い形の粒子になります。
トナーは人体に影響ある?
結論から言うと、トナーの人体への影響はほとんどありません。人体に影響がないような成分を使っていて、有害物質が含まれていないかも検査されています。また、トナーはカートリッジと呼ばれる容器内に充填されていますが、基本的には漏れたりしないように作られています。
しかし、カートリッジの破損等により風で舞ったトナーが気管支に入って、アレルギー反応を誘発することも。心配なときは、トナーの交換時にマスクや手袋を付けて取り扱うことをおすすめします。
万が一、口に入ってしまった場合も大量の水でうがいを行いましょう。異常があるようでしたら、医師の診察を受けてください。
トナーをこぼしてしまった!そんなときは
基本的にトナーはプリンター内にセットされたカートリッジ内に入っています。このカートリッジはトナーが飛散しないように作られていますが、トナー交換時にうっかり落としてしまったり、誤ってストッパーを外したりして、カートリッジを破損させてしまうと、トナーが床に大量に広がってしまうことがあります。また風にのって空中にトナーが飛散することも。
こういったときの清掃方法でやっていけないのが、掃除機をつかっての掃除です。掃除機を使ってしまうと余計にトナーを空中に飛散させてしまいます。また、火気のある場所で細かい粒子であるトナーを飛散させると、トナーに引火し粉塵爆発を起こす可能性があるため大変危険です。
こういったときの清掃方法として、トナーを床などにこぼしてしまったときは、濡れた雑巾で拭きましょう。
また衣服などにトナーがついてしまったときは、普通に洗濯で落とすことができます。トナーは細かいプラスチックの粉なので、インクのように染み込んだりはしません。ですので、普段洗濯するように洗うことで簡単に落とすことができるので安心ですね。