プリンターの階調とは?印刷をきれいにしたいときに選ぶべきなのは?

プリンターや複合機のスペック表の中で、美しい印刷結果の指標なんだろうな・・・という事は何となく解るのですが、よく解らない数値に「解像度」と「階調」があります。

この2つを比較した時に、まだ解りやすいのは「解像度」で、要は繊細さの元になるドット数が多いほど表現力に長けているという事ですが、聞き慣れず解りにくいのは「階調」です。

この「階調」とはいったい何を表しているのか?
プリンター選びの中で「階調」をどのように捉えて、綺麗な印刷結果が欲しい時に選ぶ指針になるのか?

プリンターの「階調」について解説していきます。

目次

プリンター階調とは何を意味するのか

プリンターのスペック表にある「階調」とは、いったい何でしょうか?

階調はグラデーションの表現力

階調とは、色や明るさの濃淡の段階を表していている数値です。

だんだんと変化していくカラーや濃淡が、一足飛びに変わっていくよりも、変化していく段階数が多いほど、滑らかで多彩な表現力があるということになります。

階調が豊かであるというのは、繊細なグラデーションの表現力ができるという事です。

カラープリンターの階調

プリンターの個別のカタログでは謳われている「階調」ですが、他のプリンターとの比較検討をすべく価格コムで一覧表示をしても、「解像度」の項目はあっても「階調」の項目は出てきません。

その理由は簡単です。

「解像度」はプリンターや複合機事によって異なっている事が多く、利用目的に併せた大きな指針になりますが、フルカラーが印刷できるプリンターの「階調」は256階調の機種が大半で、機種事の違いが無い事にあります。

256階調という数値だけを見れば、とても少ない気がしますが、光の三原則である赤・緑・青(R・G・Bという表記が多いです)のそれぞれに、256段階のグラデーションが表現できる事を表しますので、表現出来るのは256を3乗した約1,677万色(16,777,216色)になります。

解像度についての詳細は、以下も併せてご覧下さい。

モノクロ印刷の階調

モノクロ印刷の場合は色表現がありませんので、256階調のスペックなら、単純に256段階の白から黒へのグラデーション表現ができる事になります。

白と黒だけの2階調の表現をモノクロ・256段階の豊かな階調表現をグレースケールと区別して呼ばれる事もあります。

プリンター階調と印刷にはどんな関係があるのか

人間の目で認識できるかどうか?は別にして、理論的には階調が多いほど表現力が増して、豊富で自然に近い繊細なカラー表現や、明るさの微妙な変化まで表現が可能になり、印刷品質は高くなります。

美しいグラデーションの表現をする印刷には、階調はあればあるほど良いのですが、実際にこれ以上の階調はあっても無意味だと判断している数値が、256階調になっていると言えます。

印刷時の解像度については、多くの場合に自動設定になっています。

印刷を重ねながら時間が経過して、加えてトナー交換がなされるうちに、この階調調整に不具合が出てしまうことがあり、その場合には印刷結果に影響が出ます。

プリンターで印刷を行った場合に、色目やトーンが以前とは違うと感じるなど、変化を感じたときには階調を補正すると正常に戻るケースがあります。

プリンターによって異なりますが、カラー階調補正には「自動濃度階調補正」と、「階調補正シートを印刷して手動補正」があり、まずは自動濃度階調補正をお試し下さい。

階調が多ければ多いほどきれいに印刷できる

前述のように、理論的には階調が多ければ多彩で繊細な表現が可能になり、きれいに印刷できるのは間違いありません。
階調のスペックは、印刷の美しさに大きく影響します。

しかし、256階調で横並びになっている一般的なプリンターでは、美しい印刷を行う為の指針にはなりません。

横並びの階調でも印刷の美しさに差が出るのは?

印刷結果に大きな影響を及ぼす階調については256階調の横並びでも、印刷出力の美しさにプリンターによって差があるのは、他に原因があります。

プリンターで使用するインクやトナーは、各メーカーのノウハウや考え方・技術力が集約されていて、それをコントロールするドライバによっても、印刷結果で大きな違いがあり、メーカーの個性が出ます。

解像度も重要なポイント

階調は豊かなグラデーションの表現を行いますが、解像度は繊細な表現力に直結していて、印刷出力の美しさに大きな影響が出ます。

解像度のdpi数が多いプリンターほど、繊細で美しい印刷表現が可能になります。

ビジネス文書は美しさより読みやすさ

写真印刷を行う場合には、モノクロカラーを問わずに階調は多い方が良いのですが、文字を扱うビジネス文書では事情が異なってきます。

重要な文字表現はスッキリと読みやすさが一番で、階調は必要無く2階調の表現がふさわしく、モノクロ文書でグラフなどが挿入されている場合は、豊かな階調表現よりも、16階調程度の方が読みやすいことが多くなります。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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