「退勤する際、プリンターの電源はOFFにした方がいいのかな?」
プリンターを使わない際、電源をOFFにすべきか、それともONにしておくべきなのか、迷っている人も多いでしょう。
本記事では、プリンターを使わないときに電源ON・OFFをどうすべきかを解説します。
【結論】プリンターを使わないときでも電源はONにしておくべき
結論から言うと仕事終わりや退勤時、プリンターの電源はOFFにせず、ONのままにしておくべきです。
もちろん「電気代がもったいない」と感じることもあるでしょう。
プリンターが消費する電力は、プリンターが新しければ新しいほど少なくなっています。
電気代の事を考慮する場合は、プリンターを新しい機種に買い換える方が合理的です。
特に、レーザー方式のプリンターからインクジェット方式のプリンターへの変更は、大きな電気代の節約をもたらします。
インクジェットプリンターの印刷の遅さや、文字がぼやけて読みにくいというデメリットは、ビジネスインクジェットプリンターの出現によって大幅に解消されています。
「ビジネス=レーザープリンターはもう古い!用途にあったプリンターを選ぼう」も、是非お読み頂ければ幸いです。
プリンターの入れ替えは、購入やリースだけでなく、是非レンタルプリンターサービスもご検討ください。詳細は「プリンターレンタルサービス「プリント革命」のメリット」をご参照ください。
電気代については、別項の「コピー機、複合機の月の電気代はいくら?削減方法」も、併せてご覧下さい。
さまざまな点を考慮すると、プリンターの電源は常にONにしておいた方がメリットは大きいです。
プリンターを使わないときでも電源はONにしておくべき理由
以下のような理由で、プリンターを使わないときでも電源はONにしておくべきです。
「使わないときプリンターの電源を切るのはNG?それとも節電のためにOFFにすべき?」も、併せてご覧下さい。
自動ヘッドクリーンニングで目詰まりを防止できる
多くのインクジェットプリンターには、自動ヘッドクリーニング機能が搭載されています。自動ヘッドクリーニング機能とは、プリンターが目詰まりしないよう、ヘッド部分を自動でクリーンニングする機能のことです。
ヘッドクリーニングは、プリンターを稼働させていない深夜などに行われます。ただし電源をOFFにしていた場合、自動ヘッドクリーニング機能は作動しません。つまりプリンターの電源をOFFにしている時間が長いと、ヘッド部分が清掃されず、目詰まりの可能性が高まります。
プリンターの故障を防ぐためにも、使わないときでも電源はONにしておくべきです。
※自動ヘッドクリーニング機能が搭載されていない機種もあるので、必ず仕様を確認してください。
インクジェットプリンターの目詰まりについては、別項「インクジェットプリンターの目詰まりの原因と解決方法!」でも、詳しく解説しています。
家族や様々な端末から、いつでも印刷出来る
以前のプリンターは、パソコンとプリンターをUSBケーブルで繋ぐことで完結していました。しかし、インターネットの利用が増えるのに併せて、家庭内のルーター使用が当たり前になり、プリンターがWi-Fi接続出来る機種が多くなりました。
プリンターを家族や別の端末で共有する事が使い方の基本になり、色々なパソコンやスマートフォン・タブレットから印刷出来るようになっています。
別の部屋に設置してあるプリンターで印刷するケースも増えて、その都度電源をONにする作業が必要になる事は、使い勝手が悪く合理的ではありません。
電源が常にONになっている事で、どんな端末からも思い立った時に印刷する事が可能になります。
プリンターの無線接続の詳細は、別項の「プリンターの無線の接続方法はWi-Fiダイレクト?アクセスポイント?」も、併せてご覧ください。
常に電源ONでも電気代は跳ね上がらない
ほとんどのプリンターには、スリープ機能(待機機能)が搭載されています。スリープ機能とは、印刷していないとき、省電力状態をキープする機能のことです。
たとえばRICOHが販売する業務用プリンター「SP C420e ME」の場合、スリープ時の消費電力は6W以下です。仮に12時間スリープ状態を続けても、電気代は2円以下に収まります(※)。
家庭用では最も大型のハイアマチュア向けのA3ノビ対応canonインクジェットプリンターPIXUS PRO-100Sでも、Wi-Fiオンの待機時消費電力最大値は2.1Wです。12時間スリープ状態を続けても、電気代は1円以下(※)しか掛かりません。
常に電源をONにしていても、スリープ状態であれば電気代はさほど気になりません。
※27円/kWhで計算した場合
プリンターの電源を長時間OFFにするとどうなる?
プリンターの電源ON・OFFの善し悪しについては、プリンターの印刷方式や使用頻度、メーカーの考え方によっても変わってきます。
大前提として言えるのは、ON・OFFに関わらず、コンセントは抜かないで通電状態にしておく事が基本です。
インクジェットプリンターの場合
インクジェットプリンターは、使うインクが固まりやすく乾燥しやすい特性があります。メーカーの考え方にもよりますが、多くのインクジェットプリンターはONにする都度、ヘッドの乾燥を防ぐために少量のインクを噴出に使用して、ヘッドクリーニングを行います。
プリンターを使用する時には必ずONで有る必要が有るため、使用頻度が高く、毎日プリンターの電源を入れているならば、その都度のヘッドクリーニングは過剰気味であると言え、使用後もOFFにしない方が賢明です。
ヘッドクリーニングはインクの消費だけで無く、そこで消費したインクは印刷に使用するわけでは無いので、廃インクタンクや吸収パッドに収まる事になります。廃インク吸収体交換はユーザーが出来ない機種が多く修理扱いになるため、費用の事を考えれば事実上の寿命になるケースが多くなります。
メーカーや機種によっては、電源がOFFになっていても、定期的に自動でプリントヘッドのクリーニング作業を行う機能があるタイプがあります。
オートクリーニングが行われる設定は、ユーザーの意思を入れる事が出来ない場合もあり、プリンターが設置された場所の温度や使用頻度と枚数、電源投入後の経過時間などをプリンター自身が判断して行われます。
この場合は、電源をOFFにしていても、事実上メーカーの考え方で強制的にONにしていると言えます。
自動クリーニングを避ける為に、コンセントを抜くユーザーもいますが、メーカーでは決して奨励していません。コンセントでのON・OFFは、プリントヘッドが所定の位置に戻る前に止まってしまう事に繋がり、その場合はサインペンや蛍光ペンのキャップを閉めないで保管するのと同じ状態になり、ヘッドの乾燥する時間が著しく短くなり、クリーニングでは復活が難しくなるケースも有り、ヘッドの交換に至る場合も有ります。
プリンターだけではありませんが、電源部分のパーツに一番負担が掛かるのはON・OFFの時だと言われています。電源を常にONにしておく方が、多くの機器は長期間に渡って安定して動作をする事が出来ます。
使用頻度や機種の特性を掴んで、ユーザーが判断するのが一番良いですが、インクの乾燥を防ぐためには、多くの場合で電源をONにしておく方が賢明です。
レーザープリンターの場合
レーザープリンターの場合は、インクジェットプリンターとは異なり、微粒子の粉であるトナーを使用しているため、インクが固まる心配が無く、そのために電源を入れておく必要は基本的に有りません。
しかし、レーザープリンターで最も電力消費量が多くなるのは、電源をOFFからONにした時です。電源をONにしたままでも、多くの機種は自動的にスリープモードにはいるため電力消費は少なく、基本的にONにしておく方が良いです。
プリンターの電源を1度OFFにすると、起動までに時間がかかります。つまり印刷しようと思ったときに、すぐに印刷できません。結果的に業務効率の低下にもつながります。
一方で常にプリンターの電源をONにしておけば、印刷したいときにすぐに印刷ができます。スムーズにプリンターを使うためにも、電源は常にONにしておくべきです。
複合機でFAXを利用している場合は、常にONにして置く事が基本です。電源がOFFの状態でFAXは受信することが出来ず、仕事に支障が出ます。
特に複合機の場合は、電源周りのパーツ設計も含めて、常に電源が入っていることを念頭に製造されています。
例外としては、個人利用で使用頻度が極めて少なく、FAX機能を利用していないか、プリント専用のレーザープリンターです。その場合は電源をOFFにしても問題ありません。トナーの使用期限内に使い切る事の方が問題になります。
まとめ
プリンターを使わないときでも、電源はONにしておくべきです。電源をONにしておくことで、ヘッド部分の自動クリーニングができたり、印刷したいときにすぐに印刷できたりするメリットがあります。また電源をOFFにせずともスリープ機能があるため、電気代の心配をする必要もありません。
プリンターを利用する際は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。