富士ゼロックス複合機リースのカウンター料金について

複合機を導入する形態として、購入する場合とリースする場合があります。
高額で複雑な構造を持つ大型複合機は、導入費用が掛からない事と併せて保守が楽なことから、リース契約を結ぶ事が多くなっています。

リース契約はあくまで本体料金であり、契約した月額費用を支払います。
保守費用は別途必要になり、リース契約の多くはカウンター料金の契約を結ぶことが一般的です。

業界No.1と言われる、富士ゼロックスのカウンター料金について考察します。

目次

カウンター料金とは

カウンター料金は、プリント1枚あたりの別料金を支払う契約です。
モノクロとカラーは別料金に設定されていて、この費用を支払うことで修理代・メンテナンス費用・部品代・トナーを含む消耗品代等に別途費用が掛からなくなります。

契約中はカウンター料金を支払うことで、用紙代・電気代・リース料金以外には、基本的にランニングコストとして計上する金額が発生しません。

カウンター料金は、一定ではありません。
保守費用を含むと言うことは、機種が高額ならば、部品代や消耗品も高額になる事が多いと考えられ、必然的にカウンター料金も高額になります。
また、トラブル時やメンテナンス時には実際に人が動く事になりますから、メーカーのサービス拠点からの距離が遠ければ出張コスト費用が高くなるため、カウンター料金も高くなる傾向にあります。サービス拠点は一般的に都市部にあることが多く、田舎よりも都会が相対的にカウンター料金は安くなる傾向があります。

カウンター料金は1枚いくらの契約ですから、月々の印刷枚数が多ければ比例して支払金額も多くなります。そのため、印刷枚数が多い現場での契約は安価になり、少なければ当然高額になります。

販売代理店にとっては、カウンター料金は収益源の源(みなもと)です。
業種別・従業員数規模別に、おおよその「月プリント枚数」をノウハウとして持っていて、カウンター料金の提案が行われます。その金額は一定の基準と、メーカーとの折り合いの中で、利益を確保する必要があります。そのメーカーの大型複合機コピー機を多く販売する代理店であれば、必然的にメーカーへの発言力も強くなり本体価格(リース料)だけでなく、カウンター料金にも反映されます。

裏を返せば、販売代理店にとってカウンター料金は重要な営業ツールです。
どうしても導入したい企業にライバルが存在して競り合いになれば、武器としてカウンター料金を下げることがあります。
既に導入が進んでいる大企業の子会社に、ライバルが食い込む動きを把握すれば動きますし、逆に自分が牙城を崩すべく食い込みを画策する時も安価な提案が出ます。

1枚も印刷しない月でも、カウンター料金は発生します。
それは、最低月額料金が契約の中で決められているからです。
モノクロとカラーの単価をそれぞれ掛け算して出た金額が、最低月額料金に到達しなかった場合は、最低月額料金が適応されます。

カウンター料金は、リース契約した期間(概ね5年から6年)中の変更は基本的に出来ません。

富士ゼロックスのカウンター料金の相場

カウンター料金は、前述の様に諸処の事情で変わります。
具体的な個別のカウンター料金は、代理店はオープンにしていません。見積書には具体的な金額を口外しない旨の記述があります。背景の事情を考慮せずに、カウンター料金価格が一人歩きをしてもデメリットしか無いからです。
富士ゼロックス公式ホームページに記載があるのは、モノクロで7円から8.5円・カラーで35円から45円で、販売の現場に悪影響を与えない金額になっていて、現実とは大きな乖離があります。

富士ゼロックスは、近年大型複合機コピー機のシェアトップになっています。
長期的に見ても、トップクラスに常に位置していて、絶大な信頼があります。
世界で初めて普通紙複合機を発売したのが米国ゼロックスで、大昔はコピーすることをゼロックスすると普通に言っていた時代がありました。
当時の普通紙複合機は大変高価であり、導入するのは大手企業か官公庁に限られており、その頃からの信頼関係は深く、現在まで続いている事も少なくありません。

富士ゼロックスは、故障が少なく美しい描写力と正確な色表現を併せ持ち、そのため本体価格もカウンター料金も強気の設定になっています。
しかし、シェア以上に大量に印刷する大手顧客が多いため、相場だけで見るとカウンター料金はそれほど高額ではありません。
モノクロが1.2円~4円程度・カラーが12円~40円程度になっています。
最低月額基本料金は、スペック毎分25枚機種で3,000円程度です。

富士ゼロックス複合機のカウンター料金に関する情報

カウンター料金には、かなり幅があります。
月間に1,000枚以上、年間で12,000枚程度以上の印刷出力数が見込まれて、保守拠点からそれほど設置場所が遠くない(おおよそ自動車移動で1時間以内)場合に、相場の下限価格に近い提示があるようです。

激しい営業競争の中で、カウンター料金は以前に比べて全般的に下がってきている状況の中でも、富士ゼロックスのカウンター料金は高めの設定になっています。
営業マンから見れば、機械の性能が高いので顧客満足度が高くなり、故障も少ないため販売した後の手間も掛からない事から、複数メーカー扱っている代理店なら積極的に売りたいメーカーになります。
正攻法で交渉してもカウンター料金を下げることは難しいですが、モノクロしか使わないつもりなら、カラー料金を割高設定にしてでもモノクロ料金を下げる交渉は有効です。
過去に契約した中で、カラーを使わない前提で契約したのに、時間の経過と共に使う様になった顧客を何人も見てきているからです。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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