あまり印刷しない人向けのプリンターの選び方

大量に印刷する人に、オススメするプリンター選びは簡単です。
予算の許す範囲で、「連続印刷速度の速い機種」という明瞭な回答を出せます。

しかし、あまり印刷しない人向けのプリンター選びは、実はとても難しいです。
必要なニーズがバラバラだからです。
「テレワークで希に仕事の書類を印刷する必要がある」「撮影した写真を希にプリントアウトしたい」「作成した時にCDにプリントしたい」の様に、したいことは様々で、適したプリンターも異なってきます。

最大公約数を考えながら、あまり印刷しない人向けのプリンター選びを解説します。

目次

プリンターの大きさをチェック

プリンターのサイズは、印刷方式や機能で変わってきます。

印刷頻度が低いユーザーのプリンター選びは、家庭向けのプリンター=インクジェットプリンターという発想で考えがちですが、用途によって最適なプリンター選びをした方が合理的です。

印刷頻度が低いのに、大きな筐体のプリンターがスペースを占有するのは、出来れば避けたいですよね。

写真のL版印刷しかしない

スマートフォンを使って写真を撮る事が多くの人に定着していて、ある意味1億総カメラマン化しているといっても良いですよね。

下手なコンパクトカメラでは太刀打ちできないほど、最近のスマートフォンのカメラは高性能で、単なる記録用としてのカメラの枠を飛び越え、情緒有る作品を撮影する事が可能になっています。

撮影した写真はスマホで見たり、モニターで鑑賞したりする人が多いですが、お気に入りの1枚は写真印刷して、部屋に飾ったりボードに留めたりするニーズは意外に多く、その都度、写真屋さんなどのセルフプリントのサービスを利用する事が面倒で、自宅で簡単に同じ事が出来たらいいな~!とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

今までプリンターが無くても困らなかった環境で、撮った写真を印刷するだけの用途なら、フォトプリンターが最適です。

写真をL版サイズで印刷したいだけなら、A4サイズ対応のプリンターは必要ありません。
専用の用紙を利用して、コンパクトなサイズの写真専用プリンターをオススメします。
お店プリントと遜色ないクオリティが自宅で楽しめます。

プリンターの筐体サイズも小さく、持ち運びが可能になっているタイプもあります。
機種によってはハガキサイズまで印刷が可能で、年賀状のカラー印刷も出来ます。

インクジェットプリンターなら利用用紙はA3?A4?

インクジェットプリンターの利用出来る用紙サイズは、A4までのタイプが圧倒的に多く販売されています。

オフィスも含めた印刷するサイズの大半はA4までで、それに対応するマーケットは大きく、数多くの機種が鎬を削っている事で、A3よりも割安に販売されている事が多く、コスパも良くなる傾向にあります。

A4サイズ用紙まで対応するプリンターと比較して、A3サイズ用紙まで対応する機種は当然サイズが大きくなります。
置き場所に制約があるなら、大半がA4サイズで対応出来ますし、それ以上のA3・B4サイズがどうしても必要な時だけ、コンビニでプリントする方が合理的です。

印刷方式でもプリンターの大きさは変わる

A4以上の普通用紙が印刷出来るプリンターの印刷方式は、大きく分けて2種類があり、具体的には「インクジェットプリンター」か「レーザープリンター」です。

レーザー方式のプリンターは、色ごとにトナーと呼ばれる大きなカートリッジが必要で、これらを格納するだけでなく、印刷に熱処理が必要になることと併せて、プリンターのサイズは大きくなり、重量も重くなります。

インクジェット方式のプリンターは、カラーインクのカートリッジサイズも小さく、印刷に熱処理も必要としないため、プリンターのサイズは小さく軽くなっています。

サイズや重量で比較すれば、合理的なのはインクジェットプリンターの圧勝ですが、それだけでなく、消費電力で比較しても、熱処理が必要なレーザー方式のプリンターは、印刷時に大きな電力を消費する事が避けられず、インクジェット方式のプリンターの方が、大幅に省電力なのは間違いありません。

モノクロしか印刷しないなら?

カラー印刷は必要とせず、殆どがモノクロでOKなら、モノクロレーザープリンターは検討の余地が充分あります。

カラーレーザーと比較して、トナーが1色で済むため、プリンターの筐体サイズはコンパクトなタイプが販売されています。

印刷頻度が少なくても、レーザー方式のプリンターのため、インク詰まりのトラブルが起こらないのも、大きなメリットです。

複合機と印刷専用でも大きさは変わる

最近増加しているテレワークで、コピー機能やFAX機能が必要な場合は、複合機を選択する必要があります。
プリント専用機と比較すれば、複合機のサイズは大きくなります。

FAXは仕事で必要な方には、欠かすことが出来ないツールですが、一般的な利用はメールなどで代用される事が多く、FAXのニーズは現状大幅に減っていますので、通常の家庭用としては、必ずしも必要な機能ではありません。

FAXを送る必要が頻繁だったり、FAXを受信する必要があったりするなら、複合機を導入する価値は充分にありますが、それほど多くないなら、コンビニエンスストアからFAXを送信する事も可能です。

コピーは有れば便利な機能なのは、間違いありません。
コピー機能が有るプリンターは、自宅にあれば利用する頻度はそれなりにあるので、導入すれば印刷頻度が増える可能性もあります。

スキャン機能も有れば便利ですが、スマホのスキャンアプリも高性能なタイプが数多くリリースされていて、頻度が少ないなら充分代用することが可能です。

利用頻度を考えて、価格上昇分とサイズが大きくなる事を天秤にかけて、どちらのメリットがあるのか?検討が必要です。

印刷頻度が低い場合は、はウォームアップタイムのスペックをチェック

印刷頻度が低い場合に注目するスペックは、何が自分にとって必要か見極めることです。

少なくとも連続印刷速度は、大量印刷が必要な時の指針ですから、無視しても構いません。
使いたい時にパッパッと印刷出来るスピードは、電源を入れてから出力が完了するまでの時間です。その指針はウォームアップタイムとファーストプリント速度です。

印刷頻度が少ない場合の素早い1枚は?

電源を入れてから作業が早く完了出来るのは、インクジェットプリンターです。
レーザー方式のプリンターは、必要なパーツ暖めるのに一定の時間が必要になります。

詳細は、「プリンターの印刷速度は大量印刷か、素早く一枚かを確認しよう」も、併せてご覧下さい。

印刷頻度が低い場合のデメリット

しかし、インクジェットプリンターで印刷頻度が低い場合、インクが乾燥して固まり、正常に印刷出来ないケースが頻繁に発生します。
家庭用の一般的なインクジェットプリンターは、最低でも1週間に1回の印刷出力をすることが望ましいとされています。

印刷頻度が低い場合は、ヘッドのクリーニング作業が必要です。
作業自体はボタンを押すだけで簡単ですが、作業時間に数分は必要になり、最初に正常な印刷を開始するまでに5分程度は掛かります。

これを回避する手段として、インクジェットプリンターの電源を入れっぱなしにしておけば、使わない期間が続いた時にはプリンターが自己で判断して、自動的にヘッドのクリーニング作業が行われます。ヘッドのクリーニングはインクを消耗します。実際に印刷をしなくても、時間の経過と共にインク量は減少していきます。

レーザープリンターでは、構造が根本的に異なるため、印刷頻度が低くても電源を入れておく必要は無く、必要な時に電源を入れれば問題無く印刷が可能です。

家庭用プリンターで満足できない場合はビジネスインクジェットプリンターにしよう

印刷する内容にもよりますが、家庭用のインクジェットプリンターを利用して出力した書類が、会社で印刷した書類に比べて何となく「ボヤッ」としている印象はありませんか?

それは印刷方式が違うためです。
会社での書類印刷は、レーザープリンターで行う事が主流です。
家庭でもレーザープリンターを導入すれば、会社のクオリティと変わらない書類を印刷出来ます。

しかし、レーザープリンターはサイズ重さ共に大きくなり、電力も消費します。
そんな制約が有る場合には、インクジェットプリンターでも、「ビジネスインクジェットプリンター」を選択すれば、大幅に印刷クオリティがアップします。

一番の違いは使っているインクの染料で、従来の家庭用インクジェットプリンターは染料インクを使用しますが、ビジネスインクジェットプリンターでは顔料インクを使用します。
滲みが無くスッキリとした印刷に仕上がります。

通常のインクジェットプリンターと、ビジネスインクジェットプリンターの違いは、「ビジネスインクジェットプリンターとは。インクジェットプリンターの違い」も、併せてご覧下さい。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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