知っておきたいトナーカートリッジとインクカートリッジの違いとは?

プリンターは大きく分けて、「インクジェットプリンター」と「レーザープリンター」の2つに大別出来ます。

どちらも印刷する機器である事に変わりはありませんが、印刷方式は全く異なり、印刷に利用する染料も、前者は液体のインクを使い、後者はトナーという粉末状の粉を使います。

消耗品の交換利便性を考えて、どちらも色別のカートリッジに入っていて、インクジェットプリンターでは「インクカートリッジ」・レーザープリンターでは「トナーカートリッジ」が使われています。

印刷には不可欠の消耗品でありながら似て非なる、インクカートリッジとトナーカートリッジの違いについて解説します。

目次

プリンターの「トナーカートリッジ」とは?

トナーカートリッジは、レーザー方式のプリンターで使われています。

トナーカートリッジに封印注入されているトナーは粒子素材で、熱を加える事で用紙にトナーを定着しています。

トナーカートリッジの中身

トナーの主な原料成分として、酸化鉄・スチレン・アクリル酸エステル共重合体・非晶質シリカ等が用いられています。

トナーの成分詳細については、以下も併せてご覧下さい。

トナーカートリッジの取り扱い方

トナーカートリッジは光や湿気を嫌い、精密機器の側面も持ち合わせているため、開封前は厳重に黒い袋に包まれています。

開封後はプリンター内部に装着されるので、さほど気を使う必要はありませんが、未開封のトナーカートリッジの保管には、一定の配慮を配る必要があり、規定の品質を満たすためには時間による劣化も考慮する必要があります。

トナーカートリッジの寿命は、概ね1年から2年程度になっています。
トナーカートリッジの推奨される使用期限は、メーカーごとに異なっています。
ただし、この期限は未開封であることに注意が必要で、開封後はその限りではありません。

未開封トナーの品質を保つためには、「高温多湿を避ける」「横向き保管」「磁気を帯びている近くに置かない」などの注意点を守る必要があります。

トナーカートリッジの保管方法と寿命については、以下も併せてご覧ください。

トナーカートリッジを使うレーザー方式のプリンターは、以前に比べて筐体サイズが小さくなり、消費電力も抑えられている事もあり、在宅勤務やテレワークで仕事に利用する用途も合わせて、一般家庭用途にも購入しやすい機種が登場している事により、普及が進んでいます。

プリンターの「インクカートリッジ」とは?

インクカートリッジは、インクジェット方式のプリンターで使われています。

インクカートリッジに封印注入されているインクは液体で、用紙に吹き付ける事で印刷が行われています。

インクカートリッジの中身

インクの主な原料成分として、水や着色剤・浸透液や乾燥防止剤など多様な成分が配合されています。

インクのタイプとしては、用紙に浸透して混じり合う特性のある「染料インク」と、用紙にインクを乗せる事で混じり合わない「顔料インク」の2つがあります。

染料インクは繊細な色表現が可能で、カラー印刷をする家庭用のインクジェットプリンターに広く使われています。

顔料インクは時間耐久能力に長けていて、水分によって滲む事が無く、レーザープリンターで印刷したような、見やすくはっきりとした文字表現ができる事から、ビジネスインクジェットプリンターという、オフィスや仕事で使われるプリンターに搭載されています。

文字の黒は顔料インクを使い、カラーについては染料インクを使う、ハイブリッドタイプのインクジェットプリンターもあります。

インクカートリッジに使われるインクの成分と、人体への影響についての詳細は、以下も併せてご覧下さい。

インクカートリッジの特性

インクカートリッジのインクは、開封後に一定期間の利用が無いと、インクが固まる傾向にあり、正常な印刷が出来なくなる可能性が高くなります。

これに対応する方法として、プリンターの電源は入れっぱなしが効果的です。

プリンターの電源は利用しない時にはOFFの方が良いのか?常にONにしておく方が良いのか考える、以下も是非合わせてご覧下さい。

インクカートリッジの取り扱い方

開封前のインクカートリッジも使用期限が設けられていて、保管にも注意を払う必要があります。

未開封のインクカートリッジの利用推奨期間は、メーカーによっても異なりますが、概ね30ヵ月~3年程度になっています。

購入した時からではなく、箱に印字記載がある製造年月日や、それに基づく使用期限に注目してください。

開封後のインクカートリッジは、開封前のインクカートリッジとは大きく異なり、概ね半年程度とされています。

粉状のトナーカートリッジとは異なり、液体状のインクを使うインクカートリッジでは、乾燥して固まる事や劣化が開封によって一気に進みます。

昨今は大容量のインクが搭載できるタイプの機種も多くなっていますが、開封後は半年で使い切るのが基本になりますので、あまり印刷をしないユーザーにとっては、1枚あたりのコスパの良さが適用されない事態にもなりかねません。

インクカートリッジの寿命と保管方法についての詳細は、以下も併せてご覧ください。

インクカートリッジを使うインクジェット方式のプリンターは、以前は家庭での利用がメインでしたが、オフィスに利用する場合のデメリットを克服した「ビジネスインクジェットプリンター」の登場により、企業での利用も広がっています。

粉状のトナーとは異なり、液体のインクを使うインクカートリッジは、交換時などにインクが漏れるトラブルがあります。
インクジェット方式のプリンターのインクは、衣類やカーペット、手についても取れにくい特性があります。

インクカートリッジのインクをこぼしてしまった時の対照方法は、以下をご覧下さい。

トナーカートリッジとインクカートリッジの違い

トナーカートリッジとインクカートリッジの違いは、そのままレーザー方式のプリンターとインクジェット方式のプリンターの違いです。

価格とランニングコスト

トナーカートリッジの方がインクカートリッジよりも、購入出来る価格は一般的には高いと言えます。

しかし、交換することなく大量印刷がトナーカートリッジでは可能なため、インクカートリッジよりも保守の手間が掛からず、ランニングコストも長期的に見ればトナーカートリッジの方が安くなるケースが多くなります。

厳密にはインクカートリッジでありませんが、大型のインクボトルを用いたタイプも登場しているので、保守の手間やランニングコストでも、レーザー方式に劣らないインクジェット方式のプリンターも販売されています。

使用する電気代は大きな差があり、熱を利用するトナーカートリッジの方が、インクジェット方式のプリンターも高くなります。

繊細な色表現

インクカートリッジに使われているインクのタイプは、染料インクと顔料インクがあります。

インク自体が混じり合う特性のある染料インクが、繊細な色表現には最適です。
トナーカートリッジは粉状のため、色表現では染料インクのインクカートリッジに叶いません。

印刷の速さ

印刷速度はトナーカートリッジを使う、レーザー方式のプリンターの方が一般的には速いと言えます。

しかし、解像度を抑えて顔料インクを使う、ビジネスインクジェットプリンターの登場で、その差は縮まっています。

トナーカートリッジとインクカートリッジの違いについては、以下も併せてご覧下さい。

 

インクやトナーの保管から解放されるには?

リース契約をしている大型複合機コピーなら、高額になるカウンター料金を支払う事で、トナーは適切に補充が受けられるため、保管に気を使う必要は殆どありません。

しかし、レンタルプリンターの「プリント革命」を利用すれば、安価なレンタル料だけでカウンター料金の必要が無く、適時適切な消耗品の供給が別料金の支払いが無く受け取れるので、インクカートリッジやトナーカートリッジの保管に気を配る必要がありません。

「プリント革命」についての詳細は、以下を是非ご覧下さい。

 

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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