ポータブルプリンターとは|どんな時に使う?メリット・デメリットとは

ITの発達は、仕事をする場所を日々自由にしています。

小型軽量で高性能なノートパソコンは、ネットに接続する事さえ出来れば、カフェや屋外でも仕事場や自宅と変わらない仕事をこなす事を可能にしました。
スマートフォンの進歩は、そのパソコンさえ無くても仕事が進められる様になっています。

「この場で印刷出来たら合理的なのに!」と思ったことはありませんか?
そんな時には、ポータブルプリンターがあります。

持ち出すことの出来るプリンター「ポータブルプリンター」について、解説します。

目次

ポータブルプリンターとは

持ち運びが自由に出来て、使う場所を限定しないプリンターが「ポータブルプリンター」です。「モバイルプリンター」とも呼ばれます。

ポータブルプリンターは持ち出せる

一般的なプリンターはコンセントから電源を供給して、固定された場所で印刷利用する前提になっています。

屋外や社内の別の場所で印刷が必要な場合、データをプリンターが設置してある場所まで持ち帰って、あらためて印刷をしてから再度元の場所に戻る必要が生じます。

この手間を必要な場所や現場での印刷を可能にするのが、持ち出しが可能なポータブルプリンターです。

ポータブルプリンターの重量や印刷可能なサイズは?

持ち出す為には、サイズと重量が通常の鞄に入るコンパクトさで、屋外での使用を念頭に電源が無くても稼働できる、バッテリー内蔵タイプも多く販売されています。

持ち出せる小型なプリンターなので、小さな用紙しか利用出来ないと考えがちですが、扱える用紙サイズはA4までです。
ビジネスで最も多く利用されるサイズまでカバーされているため、プリンターを持ち出した場所が出張オフィスとして利用できる利便性があります。

利用する用紙は専用用紙を利用するタイプと、一般的なコピー用紙が利用できるタイプがあります。

利用できる用紙サイズや印刷方式によっても異なりますが、ポータブルプリンターの重さは500gから5kg程度です。

ポータブルプリンターのデメリットは?

サイズが小さい事と引き換えに、通常のプリンターと比較すれば、印刷速度は低速で給紙トレイにセットできる用紙枚数も限られ、両面印刷など多機能な面も無く、シンプルに印刷する事に特化しています。

そのため、大量印刷には決して向かない仕様です。

ポータブルプリンターのメリットは?

その分、移動の自由度は高く、Wi-Fiを使ってノートパソコンやスマートフォンから、欲しい時に場所を問わず、簡単にプリントアウト出来る様になります。

対面している顧客などに対して、締結した契約や見積書などを即座に渡す事ができるのは、後ほど送りますので御確認くださいという従来の手順に比べて、大幅にスピーディーであり、その場で確認作業をする事も可能になります。

また、その場でプリントアウトする事で、データ流出危機も抑えられます。
別手段で速く印刷した書類を渡すのに、印刷するデータをUSBに入れて、うっかりコンビニに置き忘れるなど、情報漏洩のリスクヘッジにも繋がります。

商品の受け渡しなどで手書きの伝票発行をしていたなら、ポータブルプリンターで都度印刷する事によって業務効率は大幅に向上して、読みやすく美しい伝票を渡す事ができます。

持ち運んで印刷ができるプリンターについては、以下も併せてご覧下さい。

印刷方式

持ち運び可能なポータブルプリンターの印刷方式には、大きく2つあります。

インクジェットタイプ

通常のインクジェットプリンターが、機能を絞ってコンパクトになっているだけと考えれば良いのがインクジェット方式のポータブルプリンターです。

インクジェット方式のメリット

インクジェット方式のポータブルプリンターの最も大きなメリットは、普通のコピー用紙にフルカラーで印刷が可能になることです。

「顔料インク」を使用したタイプは、乾きも早く一定の耐水性があり、文字はスッキリ読みやすいのでビジネス文書出力にも最適です。

本体価格も比較的安く販売されていて、豊富な種類の中から選択できるのもメリットです。

インクジェット方式のデメリット

据え置き型のインクジェットとプリンターと同様に、本体価格は安価に販売されていても、使うインクカートリッジは高価であり、本体価格分も後々の消耗品で回収するビジネスモデルになっています。

また、ポータブルプリンターでは筐体サイズをコンパクトにするため、インクカートリッジのサイズも小さくなっている傾向にあり、1枚辺りの印刷コストでは一層割高になる傾向にある事に加えて、インクの枯渇は業務ができなくなる事から、予備のインクカートリッジもプリンター本体に加えて常に携える必要があります。

専用紙タイプ

専用紙を用いるタイプのポータブルプリンターも、幅広く利用されています。

このタイプでは一般的なコピー用紙には印刷することが出来ません。専用の用紙を使用します。

専用紙を用いるポータブルプリンターのタイプとして、モノクロの感熱紙タイプと、フルカラーのフォトプリンターに大きく分けることが出来ます。

モノクロの感熱紙タイプのメリットとデメリット

モノクロの感熱紙タイプは、専用の用紙に熱を加える事で印刷するため、インクを補充する必要が無く、用紙さえ有ればインク切れトラブル無く印刷が可能です。

可動部分が少ないので、作動音も非常に静かです。

デメリットとしては、時間の経過で文字や色が「あせてくる」事も多く、長期保存用には向きません。

フルカラーのフォトプリンターのメリットとデメリット

フルカラーのフォトプリンターは、写真印刷に特化したプリンターで、据え置き型だけでなく持ち出し可能なタイプも販売されています。

ワンオフの商品を販売している現場などで、カタログ代わりにその場で撮影したデータを、顧客が持ち帰り可能な写真として渡す事ができます。

プライベートの利用では、結婚式やパーティー会場にフォトプリンターを持ち込めば、スマートフォンやデジカメで撮影したデータを、その場で印刷して見られるので、仲間内で盛り上がりますし、主役にその場でプレゼントしても喜ばれます。

フォトプリンターは専用紙を利用してインク不要で印刷できるタイプ(ZINK方式)もありますが、専用紙を使いインクが別途必要なタイプ(昇華型熱転写方式)や、前述のインクジェット方式タイプもあります。

それぞれの方式によって、印刷コストや仕上がりの美しさなど、メリットデメリットがあります。

フォトプリンターの詳細については、以下も併せてご覧下さい。

 

その他のタイプ

用途によって便利なのは、シールタイプ用紙に対応した機種があります。

印刷後に直ぐ貼り付けられるので、工場や倉庫などで使い勝手が良さそうです。

こんな時はポータブルプリンターを使おう

コンパクトで自由に持ち運べるメリットは、仕事場を選ばない事以外にも多く有ります。

タブレット運用のPOS

タブレットで運用するPOSレジタイプが増えています。

商談席が複数に分かれる現場では、特別なレジスペースが不要になります。

必要なテーブルに持ち込んで決済と共に領収書や見積書の発行がスマートに行えて、仕事の効率化だけでなく顧客サービスに繋がります。

同様にイベント会場やフェスにも持ち込んで使えますね。

営業先での書面作成

お客様の会社を訪れて、必要な書類は情報を持ち帰ってから後日発送ではなく、その場で発行してお渡しするスマートなビジネスマンが増えています。

見積書や明細書、在庫表など多岐に渡って対応出来ます。

持ち出せるプリンターを営業で使うメリットやコツ、選び方は以下も併せてご覧下さい。

工場・倉庫など広大な現場

広いスペースが広がる工場や倉庫で、必要な書類を都度事務所に戻って印刷するのは、仕事の流れを止めてしまい効率が悪いです。

ポータブルプリンターを使って、その場で印刷する事で作業効率は大きく上昇します。

一定のポイントや場所で使用頻度が多い場合は、コンパクトでスペースをとらないプリンターなら、工場や倉庫の片隅に設置しても邪魔になりません。

保守・修理サービスなど

修理明細や作業明細書など、その場で発行する業者が増えています。

訪問した先で完結出来るので、業務効率が上がり顧客満足度も向上します。

手狭なオフィス

色々な事情でオフィスにスペースが無い場合、普段は引き出しに収納しておいて、印刷が必要になった時だけ出す使い方なら、オフィススペースが最大限有効に使えます。

枚数をそれほど印刷しない前提なら、自宅テレワーク用に購入を検討するのもアリです。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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