プリンター、複合機の印刷物のかすれ・色むら・ずれ対処法

プリンターや複合機でプリントアウトして、あれ!?何かがおかしい!?
よくよく見てみると、所々がかすれていたり色むらが起きていたり・・・。
日常的に使っている方は、大なり小なりのご経験があると思います。

そんな時にどうすれば良いのか?
対処法を解説していきます。

目次

印刷物のかすれの原因と対処法

購入・納入された当初は、とても綺麗な状態で印刷されていたのに、使い続ける中で部分的におかしな状態でプリントアウトされる事があります。

印刷された物がかすれている場合、プリンターのタイプによって対処法が異なります。

レーザープリンター・複合機

リース契約などで導入している大型の複合機コピー機は、基本的にレーザー方式です。カウンター保守契約を結んでいる場合は、普段からメンテナンスを受けている機種が多いため事例は少ないですが、メンテナンスに連絡するよりも簡単に解決出来る可能性も有ります。

原因1 トナーの問題

基本的な大型複合機コピー機では、イエロー・マゼンダ・シアン・ブラックの4種類のトナーを使用しています。1本のトナーに偏りが発生しても、印刷物には異常が出ます。
トナー切れの表示が出ていなくても、トナーカートリッジの中でトナーが偏っている場合に、印刷された用紙には「かすれ」が起こるケースが多くなります。

対処法

トナー切れは、センサーが正常に働いている場合には、その旨が表示されます。
トナーが偏っていた事が解消されれば、正常に戻ります。
トナーを一旦取り出して、左右にゆっくりと数回振ってから再度差し込んで下さい。
その後も改善が見られない場合には、問題の起きているトナーカートリッジを新品に交換してください。

トナーカートリッジを全部交換する必要は無く、最も減っているカラーで起こっている事が殆どです。

トナー粉が湿気を帯びている場合も、印刷物の「かすれ」が発生する原因になります。
電源を入れっぱなしで待機しておくことで多くは解消しますが、頻繁に発生するなら、空調や置き場所などを再検討する事も必要です。

原因2 印字濃度設定

何かの拍子や、前に使った人の設定変更が残っている可能性があります。

極端に薄くて見にくい原稿をコピーしたり、極端に濃い原稿を調整したりする必要が有り、印刷濃度の設定を変更していたままの状態で印刷すれば、通常の原稿を出力した場合、明らかに異常な擦れが発生します。

対処法

印字濃度の設定を見直して下さい。
薄い設定・濃い設定になっているようなら、設定を標準に戻すことで解消されます。

原因3 用紙の問題

設置場所の環境によって、用紙が乾燥し過ぎている場合にかすれが発生します。
逆に湿度が高く、用紙が湿っている場合にも発生します。

対処法

適正な状態で保管されていた新しい用紙に、用紙トレイに入っている用紙を全部交換して下さい。コピー用紙の湿り気が多くなると、紙詰まりの原因にもなります。

原因4 ドラムの問題

使用期間が長期に渡ると、ドラムに問題が発生している場合があります。
ドラムが適正に働かないと、トナーの定着が悪く「かすれ」の原因になります。

対処法

完全に駄目な場合は交換が必要ですが、操作パネルから「ドラムリフレッシュ」を行うことで正常に戻ることも多いです。

カウンター保守契約をしている場合は、別途の費用無く交換してもらえるケースも多く、サービスマンにご相談ください。

インクジェットプリンター・複合機

原因1 ヘッドに問題がある

インクが出るノズルの部分がヘッドです。
インクが目詰まりしている場合に、「かすれ」が出ます。
ヘッドに汚れが溜まっていたり、ホコリが付いていたりする場合にも「かすれ」が出ます。

対処法

パソコンからの操作で、ヘッドクリーニングを行って下さい。プリンター本体でも操作は可能です。
ノズルにホコリや汚れがある場合は、インクカートリッジを外して、柔らかいブラシや布で掃除します。

インクの目詰まりを防ぐには、インクが乾燥して固まる事を回避する事が大切です。
月に目安として2回程度の頻度で、プリンターを使用すれば大概は大丈夫です。
電源をオンにするだけでも、ヘッドクリーニング機能が働きます。

電源のオン・オフをプリンター本体では無く、コンセントの抜き差しや電源タップで行っている場合、ヘッドが定位置に戻る前に電源が落ちれば、キャップを閉めなかったサインペンと同じ状態にヘッドがなり、インクが乾燥して固まり「かすれ」を誘発します。

プリンターの電源は必ず本体で行い、電源をオンにしたままでも電力消費量は少なく、適正にメンテナンスも行われるためメリットが多くなります。

原因2 インクのテープシールを剥がしていない

インクカートリッジには、劣化を防ぐために空気穴を塞ぐシールが貼られています。
本来はセットして使用する時に剥がしますが、カバーだけを外して装着するとインクの出が悪くなり、「かすれ」が発生します。

対処法

インクジェット方式では、結構「あるある」のミスです。
シールテープは剥がしてセットしましょう。

印刷物の色ズレの原因と対処法

色が適正に印刷されていない「色ズレ」には、以下のような原因があります。
適正に対処して下さい。

原因1 トナーカートリッジが正しく装着されていない。

適切にカートリッジが差し込まれていない場合があります。

対処法

きちんと奥まで、トナーカートリッジを差し込んでセットして下さい。
他のカラーと比較して、位置がずれていない事を確認してください。

原因2 残量が少ないカラーが発生していて、バランスが崩れている

装着しているトナーカートリッジは、印刷内容によって減り方が大きく変わります。
人間が感じる色目とは異なる配合で出力しているケースも多く、意図しない減り方をしている事が有ります。

インクジェットプリンターでも同様で、インク交換が出ても暫くは印刷する事は出来ますが、ほどなく「色ズレ」が発生します

対処法

減っているトナーカートリッジ・インクカートリッジを交換して下さい。

原因3 キャリブレーションの問題

電源を入れた直後などに、キャリブレーションが行われていないことで発生します。

対処法

色ズレ補正を行います。
機種によりますが、ユーティリティーからキャリブレーションを選択して、色ズレ調整を選択して下さい。(メニューが画質補正・メンテナンス等になっている場合もあります)

使用環境・温度変化を考慮して、プリンター・複合機は自動で色ズレの補正を行っています。
頻繁に発生する場合は、補正の頻度の設定を変更して下さい。
*あまり頻繁に色ズレ補正を行うと、トナーカートリッジの寿命を縮めることがあります。
*トナーカートリッジに残量があることを確認してから行って下さい。

原因4 紙に問題がある

規定の坪量を超えた厚紙を、連続印刷した場合にも発生することがあります。
指定外の用紙種類を使用する事でも発生します。

対処法

規定内の適正な坪量用紙を使用して、用紙の設定を正しく行って下さい。

インクジェット用の用紙をレーザープリンターに用いた場合、印刷に異常が起こるだけで無く、本体を毀損する事が有ります。絶対に止めて下さい。

印刷物の色むらの原因と対処法

色むらの原因は、上記に既にある「かすれる」場合と共通の事が多く、同様の対処法を行って下さい。それ以外の場合のみ羅列します。

原因1 環境(気温や湿度等で発生する結露など)

寒冷地に設置されている場合に起こりやすいです。

対処法

プリンターが、環境の変化に対応し切れていない可能性が有ります。
「色ズレ」の原因3の対処法メニューから、自動階調補正を行って下さい。

原因2 色の濃度が濃い図形等の印刷

対処法

設定から特殊スムージングモード(機種により呼び方は異なります)をお試しください。
印刷スピードは低速になりますが、改善することがあります。

原因3 インクが古い

インクジェットに使用するインクは、使用期限が有ります。外装パッケージ等に記述がある事が大半なので、確認してみてください。

開封してセットした後のインクは、おおよそ半年程度が概ね推奨期限とされています。

対処法

新しいインクを装着することで改善します。

原因4 用紙の表裏

表裏が明確な用紙で、反対に利用するとインクが正しく浸透せず、色むらが発生します。

対処法

用紙の表裏は、トレイにセットする時にプリンターにある記述を確認してください。

最後に

プリンター複合機は精密機械です。
上記にある以外にも、レーザーの発射装置の汚れなど問題の原因は様々です。
設置場所の問題で、慢性的にプリンターに負担が掛かっている場合は、印刷トラブルの発生する確率が極めて高くなります。

ハード的な問題が発生している場合は、素人の深追いは禁物です。
メーカー・サービスセンターに連絡を取るか、保守契約している場合は迷わず連絡して、プロにお願いすることが問題解決を早くします。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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