複合機リースの期間と決め方のポイント

複合機の導入は買い取りであることは少なく、多くの企業が選択するのはリースです。

大型複合機コピー機は所有することに大きな意味は無く、使いたい時に快適に利用出来る環境があれば、それ以上でも以下でもありません。
所有しないことで、資産計上する必要も無く、リース費用は全額経費で計上処理することが出来ます。

精密機械でありながら、不特定多数の人間に様々な使い方をされる特殊な機械のため、メンテナンスフリーで快適に使える事は無く、メンテナンスする手間を外部に丸投げ出来るカウンター料金保守サービス契約と併せて、大型複合機コピー機をリース契約で導入する企業が多くなっています。

実際にどのように使われるのか?複合機コピー機が100台有れば、使われ方も100通りありますよね。無駄な経費を掛けない為には、ある程度の使い方を事前に想定して契約に臨むことが肝心です。

高性能な機種は高額になり、同じ期間のリースなら月額料金も高額になります。
ここで言う高性能とは、印刷速度の事であり、製品寿命年数や印刷耐用年数と密接に関わってくるため、使い方とリース期間、機種の性能の関係性は切り離すことが出来ません。

リースの契約期間は有る程度自由に決めることが出来て、期間や金額内容によって月額に支払う金額が変わってきます。

知っておきたい複合機コピー機リース期間について、ポイントを解説いたします。

目次

一般的なリース期間、リースのメリット、デメリット

複合機コピー機の法定耐用年数は5年と定められています。
それを基準にするので、一般的なリース期間は5年から6年が大半です。

ただし、最初から有る程度酷使する事が解っている場合は、3年程度のリース期間を組んで、不具合が頻発する頃には新しいリース契約を結んで、新機種に入れ替えを想定しておくという考え方も成り立ちます。

また、それほど利用頻度が無い前提で、業務効率が上がる高性能な機種を、7年程度の長期リース期間を設定することで、月々の支払を抑えて利用する考え方もあります。

メリット

まとまった出費が抑えられる

大型複合機コピー機の価格は、100万円以上することも普通にあります。
一括購入する事で大きな支払いが発生しますが、リースなら同じように使用しても僅かな月額負担になります。金融機関の融資枠を使う必要も無く、別の目的に資金を回すことが出来ます。

保守経費が固定できる

リース契約時には、カウンター料金保守サービス契約を結ぶことが一般的です。
故障時の対応や消耗品・交換部品の金額は原則かからないので、導入後の手間が掛かりません。
リース会社が動産総合保険に加入しているので、まさかの事態にも対応してくれます。

リース期間中は、契約者の利用に極力支障が出ないためのシステムが、色々と取り揃えられています。

経理業務が楽になる

購入の場合は固定資産を計上して、減価償却を毎年計上する必要がありますが、リースの場合は経費としてシンプルに計上が可能になります。

減価償却も必要無く、毎月のリース代を全額経費として処理するだけで済むため、利益の出ている企業にとっては節税効果にも繋がります。

機種が自由に選べる

レンタルの場合は、貸し出す側の在庫機種に依存します。希望の機種が偶々有れば良いのですが、無ければレンタルする事は出来ません。多くの場合は中古です。
リースの場合は新品で、希望機種の導入が可能です。

デメリット

総額が高くなる

リース会社の金利経費や利益も乗せられる為、一括で購入する金額よりも支払総額は高額になります。

たとえば、総額150万円の大型複合機コピー機を、リース料率2%の5年契約で締結した場合、月々のリース料は30,000円になります。
5年間なので総支払回数は60回になり、総支払額は30,000円×60回=180万円になります。

トータルでは総額以上の支払額になるリース契約ですが、全額を支払い終わっても所有権は得ることが出来ず、リース会社のままです。

全額支払後=リース契約期間終了になった以降も、再度リースを望む場合は、概ねそれまでの1ヶ月分のリース代金額を支払、1年間の再リースをするケースが多くなっています。

リース期間中は原則解約が出来ない

事業の廃業や、思ったようには使わなかった・・と言う事態がリース契約開始後に起こることがあっても、原則期間中の解約は出来ません。
逆に契約後に、リースしたコピー機複合機では全然キャパ不足!であっても同様です。

多くは5年から6年の長期間に渡って、不満があってもリース料の支払いは継続する必要が有ります。

審査があり、リース会社が引き受けないことも

リース会社は金融業です。審査によって適さないと判断されればリース契約は行われません。実績の無い新規企業の場合は難しい事が多いです。

リース期間に関する3つのポイント

リース期間の長短により、月額支払金額は当然変わってきます。
単なる機種代総額からの割り算だけでなく、料率と呼ばれるリース会社の金利経費利益が期間により変わります。料率はリース会社が独自に算出するため変動しますが、期間が長くなれば低くなります。

リース期間は支払金額に直接関わってきますので、ポイントを3つに分けてご説明します。

使用したい年数

使用したい期間が短期間の場合は、リース契約が得策ではありません。
週単位や月単位でリースを組む方はいらっしゃらないと思いますが、目安として2年程度までなら、レンタルをオススメします。
リースの場合は法定耐用年数を基準に、3年から6年が基本で、5年ないし6年の契約期間をする企業が大半です。

一般的な利用方法なら、法定耐用年数を基準に年数を考えてもOKですが、選択する機種の印刷速度と毎月の印刷枚数の関係性でも、大きく基準が変わってきます。

大型複合機コピー機の価格は、概ね印刷速度に大きく依存していて、オプションは必要な物を都度選択する様な価格体系になっています。
一例として、リコーの機種と印刷速度を見てみましょう。

・RICOH IM C6000          2,440,000円~    カラー60枚/分 モノクロ60枚/分

・RICOH IM C5500          1,960,000円~    カラー55枚/分 モノクロ55枚/分

・RICOH IM C4500          1,710,000円~    カラー45枚/分 モノクロ45枚/分

・RICOH IM C3500          1,490,000円~    カラー35枚/分 モノクロ35枚/分

・RICOH IM C3000          1,270,000円~    カラー30枚/分 モノクロ30枚/分

・RICOH IM C2500          1,070,000円~    カラー25枚/分 モノクロ25枚/分

印刷速度の速さは、直接業務効率に関係しますが、それ以上に印刷耐久枚数に大きく影響が出ます。
印刷枚数が多い環境で、低速機を選ぶ場合ならリース契約年数は短く、高速機ならリース契約年数は法定耐用年数を基準にする考え方が基本になります。

契約年数ごとの料率

リース会社によって、前述の料率は変わってくるので幅があります。
具体的に料率を公開しているリース会社は、基本的にありません。
複合機本体価格×リース料率=月額リース料になります。
契約年数が長期間になれば、料率は下がります。
リース期間 料率
3年 約3%程度
4年 約2.3~2.5%程度
5年 約1.7~2%程度
6年 約1.6~1.7%程度
7年 約1.4~1.5%程度

複合機・コピー機の耐久枚数

月間印刷枚数の目安は、次の通りです。

・3,000枚まで 20枚/1分間~25枚/1分間 程度

・5,000枚まで 25枚/1分間~35枚/1分間 程度

・10,000枚まで 35枚/1分間~45枚/1分間 程度

・1万枚以上 45枚/1分間~60枚/1分間 程度

印刷枚数から見る、複合機の最適な速度はどれぐらい?」も併せてご覧下さい。

複合機・コピー機の寿命は、使い方や機種によっても変わってきますが、寿命とされる印刷耐久枚数300万枚が基準になっています。
5年間で計算すると、月間の印刷枚数は50,000枚。月の営業日20日と想定すると、コンスタントに2,500枚になります。これ以上のペースが想定されるなら、より短いリース期間設定をした方がいいですね。

逆にそれ以下の枚数の場合では、耐久枚数に余力があります。通常の5年程度でリース契約を行い、リース期間終了後に再リースの設定が可能です。再リースは大幅にリース料が安くなります。目安としては、再リース前の1ヵ月分が年間の再リース料になります。年間のリース料は1/10~1/12程度ということです。年に1回の引き落としになります。

リースの途中解約は可能なのか

リース契約は、リース会社が使用者に変わって購入する形態のため、使わなくなった事情になっても原則リースの途中解約は出来ません。

どうしても解約をする場合は、残債を一括で支払う必要があります。
契約前には慎重に検討することをオススメします。

短期間の利用だけが、レンタルプリンターサービスではありません。
リース契約に変わるプリンター導入手段として、「プリント革命」のレンタルプリンターサービスを導入して、印刷経費を削減する企業が増えています。

半年後には費用負担無く簡単に解約出来るメリットも大きいですが、それ以上に経費削減に効果が大きいと言えます。

プリンターレンタルサービス「プリント革命」のメリット」も、是非ご覧下さい。

この記事を書いた人

名古屋在住のIT・通信・格安SIMライターです。

プリンターはDOS時代のドットプリンターから使い始めて
初期のインクジェット、モノクロレーザープリンター
カラーレーザープリンターを使ってきて
モノクロ複合機を経てカラーデジタル複合機リースに到達。

業務用テキスタイル熱転写プリンター
業務用テキスタイルインクジェットプリンター見学に
国内・海外工場に何度も足を運ぶマニアで
日夜情報収集に励んでいます。

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