ビジネスマンにとって、コミュニケーションが大切なのは言うまでもありません。
言葉や言語だけでは無く、自分の引き出しに知識や情報が無くては、スムーズな会話は成り立ちませんよね。
何となく解っているつもりだけれど、どこかボンヤリしてきる時代のキーワードは、整理しておくことで、より有効的なビジネスツールにもなります。
現在、一般的なニュース番組にも多くの頻度で登場する「DX化」は、押さえておきたいトレンドキーワードです。
これにまつわる、よく並行して登場するキーワードとして、「IT化」が有りますが、この2つの違いを混同していると、本質的な意味合いが解りにくくなります。
また、「IT化」を語る上では、「ペーパーレス化」というキーワードも外せません。
このペーパーレス化は実際に取り組んだことがある方も多いと思いますが、とても範囲が広く、携わる仕事の内容や部署によっても内容が大きく異なるため、何だかよく解らない・・・という方も多く、これが「SDGs」と如何に繋がるのか?は難しい問題です。
実際に仕事上でのペーパーレス化に手を付けていない方は、漠然としたイメージの中で、紙印刷が無くなる事=プリンターはいらなくなる と、誤解をしている方もいらっしゃるでしょう。
これらのキーワードについて、まとめて解説していきます。
「DX化」とは?
DXと表記して、50代以上の方なら思わず「デラックス」と読んでしまいそうですが、「デジタルトランスフォーメーション」と読みます。
DX化の基礎知識
DX=Digital Transformation=デジタルトランスフォーメーション です。
Digital Transformationでも「DT」が略語にならない理由は、英語では接頭辞の「Trans」を、「X」で表記する習慣が定着している事にあります。
では、何故?「Trans」が「X」で表現されるかと言うと、英語の「Trans」は横断する意味合いを持ち、同じ意味の「cross」を省略する時に「X」が用いられる事が一般的だからです。
DX化の概念と誕生は?
英語だからアメリカ人かイギリス人の提唱・・・というワケでは無く、スウェーデンのエリック・ストルターマン教授が2004年に定義している、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」が、多くの場合基本になっています。
日本でのDX化スタートはいつから?
日本では、IT専門調査会者のIDC Japanが2016年にDXを、「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンス(経験、体験)の変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」と、定義しています。
日本のDX化を推進している国の機関は経済産業省で、2018年に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン) 」を定義して、DXを積極的に推奨して推し進める政策を行っていて、2020年11月にデジタルガバナンス・コードを設けて、2022年9月には改定したデジタルガバナンス・コード2.0を発表しています。
デジタルガバナンス・コードをクリアした事を国が認める制度として、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を設置して「DX認定」制度を行っていて、DX認定を収得した企業に対して補助金制度を設けている他、税の優遇策を行っています。
電子帳簿保存法
アメだけでは無く、国はDX推進のために法改定も積極的に行っています。
2022年1月に改正された「電子帳簿保存法」では、ある意味強制的にDX化を強いる法制度改革とも言えます。
電子帳簿保存法改正の一例として、従来から企業の帳簿に関して、国は電子化を推奨してきましたが、法律の前提になっているのが紙で処理する手段しか無かった時代のため、帳簿を電子化している企業であっても、紙で印刷した帳簿を7年間は保存する義務がありましたが、データで紙と同様7年間は保存すれば良いという事に変わりました。
DX化推進の法改定、電子帳簿保存法に関しては、以下もご覧下さい。
DX化の概念を要約すると?
難解とも言えるDX化を極めて簡単に要約して説明するなら、「デジタル技術を活用して、抱えているか未来に起こりそうな課題に対して解決を図り、新しい価値を生み出していく」ということです。
DXはデジタル技術を活用する、つまりITを活用するする事によって、どんな新しい未来やビジョンを構築出来るか?という経営戦略ということになります。
DX化は目的ではない
DX化は業務効率化・合理化を図り、その中から生まれる余力を用いて、新しい価値の創造やビジネスモデルの構築をしていかないと、これからの激動の時代を生き残ることはできない!という世界的な潮流であり、DX化自体が目的にはなり得ません。
DX化とは何か?IT化との違いはについて、以下にまとめてありますので、是非併せてご覧下さい。
では次に、IT化とは何か?について見ていきましょう。
「IT化」とは?
DX化の「デジタル技術を活用」を、具体的に行う手段として用いられるのが「IT化」です。
「IT化」というのは「DX化」という目的を達成するための手段であるため、この2つは明確に異なる事になりますよね。
IT化の基礎知識
「IT化」=「Information Technology」であり、広義の意味ではかなり幅が広いのですが、その本質になるのは、これまで紙で記録していたデータや情報を、コンピュータやネットワークなどのテクノロジーを利用する・置き換える事を意味します。
アナログという紙から、データをデジタル化すると考えても良いです。
データのデジタル化が「ペーパーレス化」
ペーパーレス化は、紙を使わないで仕事を進める事と一元的に捉えがちですが、この目的の本質は業務の効率化にあります。
ただ、ペーパーレス化は非常に広範囲であり、従来はFAXが来る度に自動的に印刷を行っていたものを、紙印刷を行わずにPDFなどにデータ化して利用や保存をするのもペーパーレス化ですし、顧客に紙で送っていた請求書明細を取り止めて、サーバーにアクセスして閲覧に変更するのもペーパーレス化です。
しかし、DX化をするツールとしてのペーパーレス化の目的は、紙を使っていた情報・データをデジタル化する事で、スタッフ全員で情報を共有して、目的の情報を手間無く簡単に見つけ出して利用する事ができる、業務効率の向上にあります。
次に、ペーパーレス化について詳しく見ていきながら、導入方法や問題点についても解説していきます。
ペーパーレス化の意義とは?
DX化のツールとして、業務効率向上に直接繋がるペーパーレス化は理想ですが、単純にペーパーレス化をする事で、印刷経費の削減に繋がる事も確かです。
得に大きな企業では印刷経費に大きな費用を毎年計上していて、トナー代やインク代などを含むカウンター料金や、利用する用紙代をペーパーレス化によって削減する事で、確実に大きな印刷経費を減らすことが可能になります。
それ以外にも、ペーパーレス化を行う事で得られるメリットを考えてみましょう。
環境にやさしい企業をアピール
環境問題について、積極的に取り組んでいる企業である事をアピールする材料として、ペーパーレス化を打ち出し、企業やブランドイメージの向上を図るツールとして利用する企業は数多くあります。
この構図としては、「紙の主原料は木材である」+「木材は樹木を伐採する」+「紙は森林を破壊する」=「紙の使用を控えることが森林保護に繋がり、地球環境を守る」というロジックに加えて、「紙の生産工程・利用後の焼却で大量の二酸化炭素も排出されている」事が地球温暖化に繋がるという理屈です。
ただ、紙の利用は地球環境を悪化させるという、この単純な理屈には議論の余地もあります。
ペーパーレスにするとCO₂の排出量は増えるという考え方・試算もあります。
「Co2排出量からみる、ペーパーレスは本当に環境にやさしいのか」も、是非併せてご覧ください。
ペーパーレス化と「SDGs」
環境への取り組みがビジネスイメージを向上させる材料として、「CO2削減」への取り組みが中心にいましたが、それ以上に大きく扱われるようになってきたのが、「SDGs」です。
SDGs=「Sustainable Development Goals」で、「持続可能な開発目標」とされていて、2015年9月の国連サミットで採択され、2030年までに掲げた目標を達成する方針が定められています。
目標内容は17項目有り、その内容は様々ですが、その中にある「働きがいも経済成長も」と、「つくる責任 つかう責任」については、ペーパーレス化と直結する内容と言えます。
SDGsとプリンター印刷の関係は、以下も併せてご覧下さい。
ペーパーレス化と環境を考えるなら、紙のリサイクルまで考慮する事が大切です。
省スペース化とテレワーク
コロナ禍では数多くの災いが全世界を被いましたが、人的交流が大きく制限された環境下で、在宅勤務・テレワークで働くスタイルが増加せざるを得ず、デジタル化に立ち後れていると言われた日本では、強制的に対応を迫られる事になりました。
在宅ワークをスムーズに行う為には、社内の必要書類を全て自宅に持ち帰る事は不可能なので、資料をデジタル化してサーバーに保管することで、多くのスタッフに共用化する事が不可欠です。
コロナ禍の数少ない有益な効果として、企業のデジタル化が大きく進んだ事があります。
IT企業などを中心としてテレワークが定着した企業では、従来のオフィスの広さは不要になり、3フロア使っていた企業が1フロアにするなど、高額な家賃を大幅削減する事に成功しています。
また、テレワークの推進によって通勤する機会が減ることにより、利便性から都心に構えていたオフィスを、郊外や地方都市に移転する動きも活発になり、ここでも家賃の大幅削減が実現しています。
大きな動きをしていない企業でも、デジタル化が進む事によって、紙の資料を保存するスペースが不要・大幅に縮小できる様になった事により、限られたオフィスのスペースを有効活用できる様になったり、スペース削減により家賃削減に繋げたりしているケースもあります。
ペーパーレス化のメリットをまとめた、以下もご覧下さい。
ペーパーレス化の具体策を考える
一旦ペーパーレス化に成功すれば、後はルチーンワークになるので継続するのは難しくありません。
ペーパーレス化の問題は、幅が広いぶんだけ何処から手を付ければ良いのか?掛け声だけで進捗状況が伴わないケースや、事業内容や仕事内容によってはペーパーレス化する事が難しく、推進したものの途中で挫折してしまうケースも少なく有りません。
ペーパーレス化をするために
ペーパーレス化を行うためには、全てを一気に行うのではなく、できる事から・できる部署からに絞って進める事にあります。
実績が少しでも現れたら、できる限り成果を数値化して、その効果を可視化・他部門も含めて共有化します。
その上で、行うチーム内で金額的や時間的に得られる目標設定を行うと励みになります。
ペーパーレス化を進めるためには、社内のコンセンサスが不可欠で、経営陣の理解も当然必要になります。
掛け声だけではペーパーレス化は決して進みませんし、推進するためにはデジタルデバイスやツール、システムなどに投資が必要になります。
解りやすく効果が出やすいところから始める
既存の紙書類を全てデジタル化する事は長い道のりが必要で、日々増えていく書類と併せて簡単には実現しません。
解りやすく効果を感じられるところから、ペーパーレス化を始めていくと、社内のコンセンサスも得られる可能性が高くなります。
たとえば、経費精算は個々のスタッフが領収書を管理して、書類を作成して添付する一連の流れで作成した資料を、経理課でチェックする事が一般的ですが、手元のスマホで領収書を撮影するだけで経費精算が完了するシステムの導入は、携わる関係者の全てで業務効率向上が実感出来るペーパーレス化です。
ペーパーレス化を広げていく流れ
1.取りかかりから大きな流れに
解りやすく、手を付けやすいところから始めたペーパーレス化で、体現者・理解者を社内で増やしていきながら、その意義や目的を浸透させていって、ペーパーレス化を社内の大きな流れにします。
2.広げていくために
ペーパーレス化できる現時点での範囲や優先順位を明確化して、ペーパーレス化し易い環境を整えるため、業務プロセスの見直しも同時に行います。
3.ルールの明確化
流れが出てきたら、ペーパーレス化するためのルールを明確にします。
データが構築されてきたら、紙と同様に扱いやアクセス権限、保存期間なども明確にして、データの整理整頓をするルールを明確化します。
4.脱落者を出さないために
ペーパーレス化を進めていくためには、スタッフ全員に一定のITリテラシーが必要になります。
脱落者が出現すればペーパーレス化は成り立たず、全体の崩壊に向かうリスクも高いため、IT関連が苦手なスタッフには、定期的な研修やケアなどの対策が不可欠で、誰にでも運用できるためのマニュアルも必要になります。
ペーパーレス化の具体的な方法は、以下でもご紹介しています。
ペーパーレス化を実際に行えば、数多くの困難な壁に当たります。
導入時に気をつけたい項目を6つにまとめた、以下も併せてご覧下さい。
ペーパーレス化がうまくいかない理由を考える
それなりに新たな投資を行い、満を持してペーパーレス化に臨んでも、残念ながら途中で崩壊するケースは少なく有りません。
その理由を考えてみましょう。
意思統一不足
一部でもペーパーレス化ができれば、それでも得られる効果も有りますが、業務効率を上げるためのDX化の中で行われるペーパーレス化としては、中途半端に行われるだけでは殆ど意味を持ちません。
そのため、本来のペーパーレス化の意義として、「もっと高いハードルを越えて、事業を発展させるため」に、業務効率を向上させる「ツール」としての認識を、全社・全スタッフで持つ意思統一が不可欠です。
ペーパーレス化する項目の洗い出しが整理できていない
画一的なペーパーレス化の推進は、業務効率を向上させる目的の中で、日常業務の効率を著しく阻害する事があります。
ペーパーレス化を推進する中でも、一律に紙の印刷を否定している事では決して無い事を理解してもらう事が重要です。
デジタル化しなくてはならないもの、デジタル化した方が利用するのに都合が良いものは、あらかじめ特定して紙印刷の利用は認めない厳しさと、紙に印刷した方が効率の良いものを事前にしっかりと洗い出して、仕分けして明示する事が重要です。
過度なペーパーレス化は、業務効率を悪化させる原因になるケースをまとめた、以下も是非併せてご覧下さい。
不協和音を放置する
具体的なペーパーレス化の成果が見えないまま、日々の仕事がむしろ面倒になった不満が鬱積すれば、不協和音が広がりペーパーレス化が崩壊する危機に晒されます。
解りやすい事例を明示化して、推進を図る材料にする他、業務ルチーンの見直しやITスキルの研修など、脱落者を輩出しない努力が必要です。
デジタル化処理の担当者を明確にしていない
ペーパーレス化を推進していく過程では、通常の業務の他にデジタル化の作業が加わります。
個人で扱う書類については、その日に確実に担当者が処理するなどのルールを決めて、個人が特定されない組織や部署が扱う書類に関して曖昧だと、具体的に担当者を明確化しなけなければ放置されてしまう可能性があります。
これらの書類に関しても、当番制にするなど担当責任者を明確にする必要があります。
強引に進める
ペーパーレス化はその本質の理解者であるリーダーの存在が不可欠ですが、解っているからこそ実態を無視した強引なペーパーレス化を推進するケースがあります。
長期的な視野を持って辛抱強く取り組まなくては、ペーパーレス化は決して実現しません。
魔女狩りが発生している
チームで進める事が基本にあるペーパーレス化で、スキル差や業務内容、取り組み姿勢などの差によって、個人攻撃が発生しやすいのもペーパーレス化を進める中で発生しやすい特性です。
ここでもルールの明確化や足りていないITスキルの補助など、何らかの手を打たなくては、雪崩を打つ様にペーパーレス化は簡単に崩壊します。
ペーパーレス化がうまくいかない理由について、以下にまとめましたので併せてご覧下さい。
DX化を推進しながら印刷経費の削減や業務効率向上には「プリント革命」の利用が最適
「DX化=ペーパーレス化=印刷をしない」という認識は間違っています。
DX化は先述のように、あくまで業務効率向上を目指す考え方ですから、単純にペーパーレス化と印刷しないを同義語で捉えるのではなく、より業務効率を向上させるための印刷行為は積極的におこなうべきと言えます。
DX化でデジタル化を進めるのには中型複合機を複数台導入
DX化を進める中で、ペーパーレス化を推進していくためには、仕事のこなし方や方法が大幅に変わります。
多くの事業所やオフィスで導入されている、大型複合機コピー機を1台で多くのスタッフが利用している環境では、日常業務の中でデジタル化する頻度が増えるペーパーレス化は、効率良く進める事ができません。
業務効率向上のためには、スキャン機能を搭載した中型複合機を、一定の少人数の部署やグループに配置する事が有効な手段になります。
大型複合機コピー機1台よりも中型複合機2台の方が、業務効率が向上してコスパも良くなる事については、「業務効率UP!大型複合機1台よりも中型機2台の方が効率的」も、是非併せてご覧下さい。
「プリント革命」のレンタルプリンターサービスなら業務効率の向上+経費削減が実現
リース契約した大型複合機コピー機は、高額な本体代にリース会社の金利経費を加えた月額リース料に、印刷する都度に発生するカウンター料金は、大きな経費負担になります。
しかし、「プリント革命」のレンタルプリンターサービスを利用すれば、リースと同様に初期費用が掛からない事に加えて、印刷1枚ごとに掛かるカウンター料金が「プリント革命」には無く、定額の月額レンタル料だけで利用する事ができます。
業務効率を向上させるための積極的な印刷は、DX化にも有効であり、必要な印刷を定額費用で躊躇無く印刷する事ができる、「プリント革命」のレンタルプリンターサービスは、業務効率の向上と経費削減の両立が可能です。
DX化を推進しながら印刷コストカットや業務効率UPが可能な、「プリント革命」のレンタルプリンターサービスについては、以下も併せてご覧下さい。